「大航海時代」と「大交易時代」の違い
Q. 「大航海時代」に代わって「大交易時代」という用語が広く使われているのはなぜですか?
A. 一般的に「大航海時代」及び「大交易時代」は、コロンブスがアメリカ大陸を「発見」した頃以降、主に16世紀のスペイン・ポルトガルが遠隔地貿易に乗り出し、ヨーロッパでアジア・アメリカ進出が始まった時代のことです。
しかしアジアでは、10世紀前後から、ムスリム商人(ダウ船)や中国人商人(ジャンク船)がインド洋や南シナ海で既に航海・貿易を行っており、周辺国はその貿易により繁栄していました。
そこで、「大航海時代」という言い方はあくまでヨーロッパ中心の捉え方である、という考え方から、 ヨーロッパの参入により貿易がより一層活発化して世界の一体化が進む、ということで「大交易時代」という言い方が使われます。
しかし、現在においてもその捉え方は議論されており、高校の教科書では出版社によって表記に違いが生じています。(「大航海時代」は日本で生み出された言葉であり、日本でも学術的には「大交易時代」が使われます。)
英語圏では“Age of Discovery”「大発見時代」。先住民がいた地域がほとんどですから、この捉え方はヨーロッパ中心主義といえるでしょう。
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